Glossyー東京大学での軌跡ー

凡人東大生による素朴なブログ

東大TLPを受講するとどうなるか?

 

 

 

お久しぶりです。オンです。

 

ブログしばらくやらないつもりだったんですが、質問が来たので暇だし詳しくお答えします。受験勉強に関する質問には中々回答しにくいのですが、今回は東大内部の事情ということで。今回の質問はこちら。

 

 

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はい、TLPについてです。TLPを実際に受講してるブロガーって受験期に東大生ブロガーを割と色々チェックしてた僕でも全く見つからなかったので、これは気になる人もいるのでしょう。

 

 

知らない人向けに簡単に説明すると、TLPは英語が堪能な学生がもう一言語も集中的に学習してトリリンガルになろうというプログラムです。以前は入試英語の成績が受験生全体の上位一割の人のみにTLPの通知書が届いて、届いた人だけが受講申請が可能だったのですが、僕が合格した年から通知書は廃止され全合格者が取り敢えず受講申請をすることができるようになりました。しかしながら、全受験生が申請できるようになったからといってTLPを受講するのは決して易しくはなく、今年のTLP中国語の基準は91点と実質的に以前の基準と変わらない点数でした(同クラの最低点が91点で、なおかつ友達に90点で中国語TLPに落ちたやつがいるので、確実にここが分水嶺です)。

 

 

それで、このブログを読んでいただければわかると思いますが、僕は中国語のTLPを受講していました

過去形になっていることから分かるように、現在はもうTLPコースは(自主的に)辞めて、登録上はTLP生となっているものの、授業数などの点で一般の学生とは全く変わらない状況にあります。

 

ですが、春学期は紛れもなくTLP生として過ごしていたし、同じクラスの友達はまだTLP生のままでいる方が多数なので、質問に回答するには足ると思います。

 

 

それでは、前置きが長くなりましたが、質問に答えていきたいと思います。

 

 

TLPについて考える際には二つの基準を別に考える必要があります。それは、

 

① 入試英語でTLP水準の得点を取った

② ①を満たした上で実際にTLPに受講登録された

 

の二つです。

 

東京大学の学生は、①を満たしておらず自動的に②も満たしていない学生、①は満たしたものの②を満たしていない学生、①を満たした上で②を満たした学生の三つに分けられます。

 

 

 

質問者さんは入試英語でTLP水準の得点を期待できるということで、このうち後ろの二つの学生がどのような状況になるか、主にその違いについて書いていきたいと思います。

 

 

 

①の要素について。入試英語でTLP水準の高得点を取るとどうなるか?

 

東大の英語1列という授業は習熟度別にG1G2G3となっていて、一年の春学期では、入試英語の点数がG1(上位一割・TLP水準)、G2(上位四割でG1でない学生)、G3(残りの六割)というように割り振られます。そのグループ内で、一年の春学期の半分の期間、英語1列という(東大の授業で最もクソと言っても過言ではない)授業を受けます。TLP水準の高得点ならまず間違いなくG1、つまり便宜上最もレベルが高いとされるクラスで受けることになります。

 

それだけです。

 

え?っとお思いになるかも知れませんが、①のみを満たした場合に普通の学生と変わることは僕の知る限りはこれだけです。

 

東大にはALESA/ALESSという英語で論文を書く授業、Flowと言う英語でディスカッション等をする授業が有りますが、これらは入試英語の点一切関係なく、ALESA/ALESSは基本的に語学のクラスを基準に、Flowは入学直後のガイダンスの際に自己申告でレベルを決めて、クラス分けがされます。

 

質問者さんはスピーキングが苦手とのことですが、これはFlowのレベルを自己申告する際に低いレベルを選択すればいいだけの話です。

 

Flowのレベル決めはガイダンスで隣の人と英語で喋り、その感触でレベルを1〜6で選んで決めるというものですが、全然自分の感触より低いレベルで大丈夫です。レベル6だから好成績とか、レベル1だから成績悪くなるとかそういうのは一切なく、レベル内で優上〜不可まで成績がつきます。これはどういうことかといえと、向上心がある方を除き高いレベルを取るメリットは基本的に無いということです。僕はガイダンスでの感触から自分のレベルは4か5かなと思ったのですが、この情報を知っていたのでレベル3を申請し、その結果現在レベル2と3合同のFlowを受講しています。成績がどうつくのかはまだ分かりませんが、多分クラス内での入試英語の点は僕が一番高いですし、先生も非常にゆっくりな喋り方かつ平易な英語で、内容的にも全然難しいことはなくやれています。うちのクラスの文1文2は帰国子女が多く自分の英語力に自信があるのかレベル6を選択したやつが多かったのですが、レベル6は英語圏在住年数が5年を超えるようなやつでも課題の量や授業内容等で苦戦していて、成績で優がついた人は殆どいませんでした。

 

要は、Flowのレベル選択の際は、ガイダンスの時の自分の感触よりもレベルを下げた選択をしておけば、授業についていくのも容易だし高い点数を取りやすいということです。僕も正直中途半端に見栄はらずにレベル1にしとけば良かったなって思ってます。(TLP生がレベル1に来たら顰蹙ものですが、そんなことはお構い無し)。ただ、授業の歯ごたえが無いというのはありますね。

 

そして東大前期教養の必修の授業で英語を積極的に喋らなければならないのはFlowだけなんで、このレベル選択でミスらなければ後はスピーキングが苦手でもあまり支障は無いです。

 

英語1列はG1だといってディスカッションとか発表みたいなレベルの高い授業をするかというと全然そんなことはなく、僕のとこは課題が一切出ず、教授がひたすら教科書の文章を読むだけ、たまにリスニング教材やるだけでこんなに退屈な授業は無いなって思いながら受けてました(ずっとチャイ語やってた)。教授はネイティブスピーカーなのですが、まさに宝の持ち腐れって感じでしたね。ただ、これは僕の教授運が強かっただけで、同クラの文2のやつらは普通に課題も多いしディスカッションとかもしてたみたいです。要はG1とかの基準ではなく、教授によって英語1列の難度は決まるということです。因みに後期の英語1列のクラス分けは前期の英語1列のテストの点数で決まります。

 

ALESAも教授はネイティブなんで英語話さなきゃいけないんですがスピーキングについては大したことは無いです。

 

入試英語の成績が良くてもTLPを申請しなかった人、また中国語みたいな基準点の低い言語ならTLPを取れていたもののフランス語のような基準点の高い言語のTLPを志望したために落選した人が該当するのはここまでです。

 

 

 

 

 

次に②について。入試英語の点が高く、なおかつTLP申請が通るとどうなるか?

 

TLP生と言っても、中国語のTLP生と、その他の言語のTLPでまた違ってくるのですが、まずはどっちにも妥当することを書きます。

 

①で書いたことについては同じです。英語のスピーキングに自信が無いならFlowのレベルは下げましょう。

 

そんで、②だけのことを言うと、第二外国語の必修の授業数が増えます。

 

普通の東大文系1年生は前期は週3コマ、後期は週2コマ、第二外国語の授業が(実質的に)必修となっています。これに対してTLP生はインテンシブという、普通は選択の授業を前期後期とも2コマ取ることが必須となっています。つまり前期は週5コマ、後期は週4コマ2外の授業を取らなければならないということですね。インテンシブの授業は、中国語の場合は会話とリスニングを集中的にやるというものでした。

 

因みに普通の必修の授業(中国語一列二列・中国語演習)も非TLP生とは違ったことをやります。一般生と比べて一列二列は進度が速くテストが難しい、演習は教科書が違くテストが難しいです。

 

また、2年生になってもTLPを続ける人は必修で週3コマ2外の授業があるみたいです。普通の人は2年になると第二外国語の授業が無くなり悠々自適の生活を送る、もしくは自分の専門に集中できるのですが、TLP生は2外の勉強に追われるみたいです。ここまで来きた猛者は大分2外の能力が高くなっており、中国語の場合は2年の夏に南京大学での語学研修があったりと、以降は積極的にその言語の言語圏へと羽ばたいて行くでしょう。

 

ただ、2年生でもTLPを続けるには、①中国語の授業の平均点が優を超えている、②後期の英語1列のテストの点数が上位一割以上かIELTS7.0以上のいずれか、の両方を満たす必要があるみたいです(僕自身続ける気が無いのでここは若干あやふや)。このため、条件を満たせずTLP継続が不可能となる、または条件を満たしていても第二外国語の勉強以外をやりたいという人は多く、現に前期教養過程のTLP修了者は最初にTLPを取った人の中の5割にも満たない数になっているそうです。

 

 

要はTLP申請が通ると第二外国語をめちゃくちゃやらされるということです。僕は誇張抜きに前期の勉強の8割はチャイ語でした。僕はそもそも語学あんま好きじゃないし、何学部進むかも決めてないため色々授業を取ってから判断したいと思い、後期はTLPの授業、つまりインテンシブを取るのをやめました。(インテンシブの授業と取りたい授業の時間が被っていたというのもある)。ただ、インテンシブをやめても後期の一列と演習はTLP生と共通の授業を受けさせられるんで、同クラの友達と授業を受けられて嬉しいけど授業とテストムズいな、チャイ語モチベゼロなのにどうしようという状況に今現在なってます、苦笑。

 

 

これだけ聞くと第二外国語をガチでやりたい人以外は、TLPを申請するメリットは無いのでは?そう思われる方もいるでしょう。

 

確かにこれの考えには一理あるのですが、以下の二点において第二外国語へのモチベがそんなに高くない人でも得られるTLPのメリットがあります。一つ目は、第二外国語の授業は良い成績が付きやすいということです。語学はぶっちゃけ頭良くなくてもできるし、努力した分だけちゃんとできるようになるのでちゃんとやれば優くらいなら簡単に取れます。さらにインテンシブの授業・テストは一列二列よりも(少なくともTLP中国語の場合は)簡単なので、一列二列の勉強の余剰で特に対策せずとも楽に点を取ることが出来ます。二つ目はTLP科目はキャップ制には含まれないということです。キャップ制とは、少なくとも一年の前期の間は一学期に取れる単位の上限が30単位でそれ以上は取ってはならないというものです。ただ、どういう訳かTLP科目はこのキャップ制の単位としては加算されず、一学期に30単位以上取る事ができます。キャップ制解放のメリットは、一学期に沢山の授業を取って知的好奇心を満たせるという他に、2Sを楽にできるというものがあります。東大の2年生の前期(=2S)は、一部の学部(例えば法学部)に行きたい方を除き、文系は必修0コマです。そして、前期過程を修了するために必要な単位数は56単位なのですが、これを1年生の間に全部取っておけば2Sで一つも授業を取らなくても前期課程を修了することができます。一年の春休みから2年の夏休みまでの約8ヶ月間丸々授業無しの期間を作れるので、世界中を旅行するなり、起業やインターンをするなり、サークルや遊びに明け暮れるなり、何をしてもいい訳です。そして、TLPは単位を沢山取れるので、これがやりやすいというわけです。

 

以上が僕が思いつく第二外国語へのモチベが低い人でもTLPを受講するメリットがあるという理由でした。

 

 

最後に、中国語TLPとそれ以外の言語のTLPの違いについてです。

 

中国語以外のTLPは普通のクラス、つまり非TLP生と一緒のクラスに所属します。

 

これに対して中国語TLPはTLP生だけで一クラス組まれます。(理系の場合はインター生と共通?)。また、普通のクラスは文12クラスと文3クラス、理1クラスと理23クラスに分かれるのですが、TLP中国語クラスは文123が全員同じクラスとなります。(これも理系は調査不足)。まあ実際は登録上は別のクラスで語学以外の必修授業は異なるんですが、同じクラスとして共に語学の授業を受け、オリ合宿や五月祭などの行事をこなす訳です。これがメリットかデメリットかは人によって違うと思いますが、語学の授業のコマ数が多く、顔を合わせることが多いので一般にクラス仲は良くなる傾向にあるみたいです。

 

また、TLP生はやはり皆ある程度は英語ができるので、その点で刺激にもなるでしょう。クラスの約半分は帰国子女で、色々と刺激になります。

 

また、東大入試の英語は英語ができるだけじゃ高得点は取れないし、英語で東大生内で上位一割以内に入るほど抜群な点を取れる人は他の科目にも英語学習で培った力を活かして能率良く学習を進められるため、TLP生は何かと優秀な人が多く(冊子掲載者・得点開示高得点者も多い)、それで刺激を受けることもできるでしょう。

 

そして、文123が同じクラスなため、クラス内の進路や考え方に多様性が出ると思います。僕も多分多様性を生み出している側(つまり一般的な東大生的志向をしてない)にいると自負してます。

 

 

 

 

まあ、色々書いてきましたが、TLPについて僕が書けることはこんな感じです。

 

 

 

僕としては、このブログの読者が無事東大に合格して文系中国語TLPを受講することを選択し、僕の下クラになることを望んでいます、笑。

 

 

それでは!